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~天からクリスマスプレゼント~
「弥勒ー、朝だよー」
200X年  12月22日  午前7:25
髪の長い女の人が階段を上って弥勒という者を呼んでいる。ドアを開け、ベットに横たわってぐっすりと眠っている男がいた。
「ほらっ弥勒!起きろ。遅刻するよ」
女性の声を無視して掛け布団をもぞもぞと頭からかぶった。
「もうちょっと寝かせてくださいよ~」
「だ~め!今日は大事な発表があるんだろ?いいから起きなさい!!」
女性が無理やり毛布を取ろうとしたその瞬間。
「うわ!!」
女性は毛布の中に引きずり込まれてしまった。中に引きずり込まれた女性の顔は、男の顔との間がわずかしかなかった。
「朝のチューしてくれたら起きますよv」
「~~~~~こんの・・・・」
バッチ―――――――――――――ン!!
外までいい音が響きわたった。
「・・・なにもはたくことないでしょう」
「いきなりひずりこむからだろ!!」
彼の名前は香川弥勒、21歳。その妻の珊瑚、同じく21歳。二人の朝はいつもこんな感じである。
「たくっその癖、いつも思っているけど直す気ないの?」
「癖と言うわけじゃないんですけど、ただつい・・・」
珊瑚はため息をついた。珊瑚と弥勒は幼なじみである。そんな二人が結婚までしたのだ。あ、あと二人幼なじみもいるが、その二人もまた・・・。
ピンポーン
「あ、はーい」
珊瑚がドアを開けると明るい声がした。
「やっほ~珊瑚ちゃん。迎えに来たよ~」
先ほど言った珊瑚と弥勒の幼なじみの、早雲犬夜叉。その妻のかごめ。
この四人は現在大学に通っており、今4年生である。今年で卒業だ。毎朝、かごめたちが珊瑚と弥勒を迎えに来ている。
「弥勒はまた寝坊したのかよ」
「そうなんだよねー・・・」
肩を落としながら言う珊瑚。その後ろからぬっと弥勒が現れた。
「寝坊とは何です!朝はゆっくり寝るものですよ」
「いいから早く用意しろ!!」
弥勒は珊瑚にパンチをいれられ、しぶしぶ部屋へ入って用意をした。
「相変わらずだな」
「うん・・・」

「寒いね~」
「そだね。そういえば、クリスマスも近いね☆」
かごめと珊瑚がそういうやり取りを聞き、弥勒がずいっと二人の会話の中に入ってきた。
「今年もまたやりますよね。クリスマスパーティ」
「おめー何ガキみてーなこと言ってんだよ」
「何言っているんです!!クリスマスといえばクリスマスパーティじゃないですか!!そして二組のカップルが愛を交わすのが常識ですよv」
弥勒は犬夜叉に向かってウィンクをした。犬夜叉は顔を引きつらせてそのまま固まってしまった。それをみたかごめが笑いながら
「常識かどうかはわからないけど、そういうのいいよね。ロマンティックで」
「そうだね」
珊瑚とかごめはうっとりしながら言った。犬夜叉はけっと舌打ちした。
「そうと決まれば!12月24日に私の家でやりましょう!」
「やったぁー!」

午後8:16  早雲家
犬夜叉とかごめは食卓について夕ご飯を食べていた。
「なぁ、本当にいくのか?」
「なにが?」
犬夜叉は無表情でかごめに聞いた。かごめはきょうとんとして犬夜叉を見た。
「クリスマスパーティだよ!本気で行くのか!?」
「あったりまえじゃない。というかさっきからそればっか聞いてるわね」
「う・・・・。そ、そんなことねぇよ」
犬夜叉の頬には冷や汗が伝っていた。かごめは目を細めて
「犬夜叉・・・もしかして・・・」
「・・・・」
犬夜叉はおもわずつばを飲み込んだ。
「子供みたいなことだから恥ずかしいんだ!」
犬夜叉はずりっと椅子から転げ落ちた。
「あれ?違うの?」
「んなわけねーだろ!!!」
きょとんとして聞くかごめに対して、犬夜叉は怒鳴った。
(「今年こそクリスマスはかごめと二人っきりですごしたかったのに・・・」)
犬夜叉は内心そう思っていた。

同じ頃弥勒と珊瑚は。
「ねぇ弥勒。やっぱり今年はクリスマスパーティ、やめない?」
「どうしてです!!」
珊瑚がそういうと、弥勒は一気に目に涙をためて、珊瑚に顔を思いっきり近づけた。その拍子に珊瑚は思わず引いてしまった。
「・・・なんでって、犬夜叉の性格を考えてみなよ。あいつかごめちゃんとけっこうクリスマスで二人っきりになりたがっていたし・・・」
「それがなんです!私は皆さんでやりたいのです!」
「・・・・・・・・」
珊瑚はあきれたような顔で弥勒を見つめている。
「・・・なんでそんなにこだわるの?」
「べつにこだわってなんかいませんよ★そんなに犬夜叉に気使ってるのなら、パーティの時に何かしましょうよ」
「・・・それもそうだね」
珊瑚はしばらく考え込んでいたが、気にせず弥勒の意見に同意した。

日は経ち、24日になった。
ピンポーンッ
「はぁーい」
珊瑚はドアを開けた。その時!
パァ――――ンッ
「「メリークリスマ~ス!!」」
かごめと犬夜叉が同時にクラッカーを鳴らし、珊瑚を驚かせた。珊瑚はぼーぜんとしている。
「あはは、珊瑚ちゃん驚きすぎー」
「ああ、いらっしゃい。犬夜叉、それにかごめさま★」
まだぼーぜんとしている珊瑚の後ろから弥勒が顔を出して二人を招きいれた。
「メリークリスマス♪弥勒様」
「メリークリスマス、かごめさま」
弥勒はそう言ってさりげなくかごめの手を握っている。
「「何ちゃっかり手握っているんだよ!!」」
そこでいつものように犬夜叉がつっこむが、今のは犬夜叉一人ではなかった。もう一人、声の低い男の声・・・・。
その声に聞き覚えがあるのか、犬夜叉は後ろを恐る恐る向いた。かごめは口をあの字に開いている。
『メリークリスマス!!』
「鋼牙くん!菖蒲ちゃん!!それに・・・」
そう、犬夜叉の後ろには鋼牙、菖蒲。それに琥珀、りん、殺生丸、楓、七宝がいた。
「ど、どうして・・・」
珊瑚はさらに目を真ん丸くしてぽつりと言った。
「弥勒兄上に招待されたんだ」
「少ないより大勢のほうがいいと思いまして♪」
犬夜叉はとうとう肩を落としてしまった。
「ん?どうしたの?犬夜叉。よかったじゃない、これでもっと楽しいクリスマスになったんだから♪」
楽しい夜は続いた。

すー・・・・
「みんな疲れて寝ちゃったな」
珊瑚、弥勒、犬夜叉とかごめ以外はみんな寝てしまっている。奥からかごめが毛布を持ってきて珊瑚と一緒にみんなにかけた。
「ごめん、なんかきれいな毛布もってきちゃったね」
「ああ、かまやしないよ」
珊瑚はかごめに微笑みかけた。ふと、かごめがなにかに気づいた。
「わぁ」
その声につられた珊瑚、犬夜叉、弥勒がかごめの視線のほうへ顔を向けた。
そこには空いっぱいに輝いている星と、月があった。
「季節違いだけど、月見でもしようか」
「風邪ひくぞ」
犬夜叉はそう注意するがその言葉を無視して無邪気にベランダに出るかごめ。
「じゃぁ何か持ってくるね」
「では私も手伝いましょう」
そう言って珊瑚と弥勒は台所のほうへと向かった。
「・・・・しばらく二人っきりにしておこう」
「そうですね」
ひそかに二人の様子を伺う二人。その時・・・・・。
さわさわさわ・・・・
「!!!」
一気に珊瑚の表情が固くなった。弥勒の手は珊瑚の胸に。
「なにすんのさぁ!!!」
たちまち珊瑚が手を振りかがすが、弥勒の手により止められてしまった。
見つめあう二人。珊瑚の頬はほんのり赤いが、弥勒の顔は真剣そのものだった。
(「ちょ・・・弥勒!こんな時にこんなところで・・・」)

「弥勒と珊瑚のやろうおせぇな」
「何言っているのよ犬夜叉。たぶん今頃二人ともいいムードになっているんじゃない?」
「そぉかぁ?」
犬夜叉は首をかしげて言った。そのとき、ふわっと何かが落ちてきた。白くて冷たい・・・。
「わぁ!雪だぁ!!」
「・・・今年の初雪だな」
犬夜叉はぼそっとそう言った。かごめははしゃぎ回っている。その時!!
ずるっ
「きゃっ!!!」
「かごめ!!!」
どすん!
かごめが倒れこみ、犬夜叉が受け止め、二人の顔の間にはわずかしか離れていなかった。
二人はそのまま、雪が降る外で口づけをした・・・。

台所でも、窓から見える雪をバックにして弥勒と珊瑚が口付けをしている。唇が一瞬離れてもまた、口付けをした。
ふと、二人は唇を離した。そして弥勒はなにやらポケットの中から何かを取り出そうとしている。
「?」
珊瑚は首をかしげ、出てきたそのものを見た。
「メリークリスマス、珊瑚」
そう、それは弥勒からのクリスマスプレゼントだった。開けてみるとそれはきれいな天使のついたペンダントだった。珊瑚はうれしくて、目に涙を浮かべた。
「弥勒・・・。あ!でもあたしプレゼントなんて用意してない・・・」
珊瑚はしゅんと肩を落とすと弥勒はいたずらそうな笑みを浮かべた。
「今のキスが、珊瑚からのプレゼントでしたよ」
え?っとした顔で弥勒の顔を見た珊瑚。
「そんなのでよかったの!?本当に?」
「ええ。いつもせがんでも拒まれてましたからねぇ」
弥勒があははっと笑いながら言った。珊瑚は目にたまっていた涙をぽろぽろ落としながら、
「ありがとう」
とにっこりと笑って言った。そして・・・・。
「!!」
弥勒は言葉を失った。初めての珊瑚からの口付け。そっと唇を離すと弥勒はぼーぜんとしている。珊瑚は無言でお菓子やお茶の乗ったおぼんを持ち、台所をでた。
弥勒はずりっと腰を落とし、その場で座り込んでしまった。
「はぁ~」
弥勒は息を吐いた。頬は赤く染まっている。そして、笑みをこぼし、天に向かって

「よいクリスマスをありがとう」


              <終>

       ライン


やっとできあがりましたぁ~~!!
遅れてすみません、にゃんめさまm(__)m
というかまたせたくせになんだこの駄作はぁーーーー!!!
なんか無理やりって感じだし・・・。
というか大学生のくせに結婚できるのか?って書きながら
思っていました・・・・。
おや?と言う面がありますが、いつものことながら
そこは目をつぶってくださいまし^^;
では逃げます!



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